辻堂道場 道場理念

「このたびは当道場のホームページをご覧いただきまして誠にありがとうございます。

辻堂道場は心を大切にし、調和を重視した稽古をしております。
それは、空手をはじめ武道とは、大切な人を守るための技を会得する「心の道」であり、争いをなくす事を目的としているものだからです。
武道を稽古する本来の意味は、あくまで人を守り、平和や共存共栄の尊さを心から理解する事です。
競争によって優劣を争い、闘争心や欲を刺激するものではありません。
むしろ、そのような刺激で心が汚されないように、自己を磨くためのものが武道の本質です。
昔から日本人は、人と自然の共生を重んじる美しい精神性を持っていました。
武道はその日本精神を最も大切にします。
日本の素晴らしい文化であり、現代の日本人が忘れてしまっている武士道精神や、かつての先人達が体現していた力を現代の私達が取り戻し発揮するための重要な手掛かりが武道には残されています。

一方、現在の日本は武道のような文化が様々な形で残ってはおりますが、競争社会の影響が大変深刻になっています。
人々の心は荒れ、社会の閉塞感は増している状況です。
競争・勝ち負けが中心となっている現代社会では欲やエゴが優先されてしまいます。
勝ち組、負け組と人々は階級的に分断され、人に勝つのは強い人、偉い人などという歪んだ考えが主流になり競争は今も激化し続けています。
人を大切にする心が失われ、社会全体が荒み、自殺率や貧困率も増え続け、日本の精神や文化は失われる寸前になっています。
このまま進んでいけば今後の日本が危機的状況に陥っていく事は目に見えています。

だからこそ、日本人の本当の力である調和力、武士道や百姓道といった「道(心)」を中心とした生き方を取り戻す事がとても大切な時代になっています。
そのため、当道場は目先の競争や優劣を争うような事は行わず、基本と型を通して技・心・生き方を深める事に価値をもって稽古を進めてまいります。
ぜひ皆様にも取り組んでいただきたいと思います。

武道には人間を殺傷するための技術が多く存在します。

しかし、かつての日本人は殺傷を目的とする技術すらも、「刀を抜かない・斬らない」と人を愛し活かすための道に変えてきました。
そのような「日本人の深い慈悲の心によって生み出された精神文化が武道」です。
武道には、現代の私達が日本人としての本領を取り戻すための要素が盛り込まれています。
その武道を稽古する事は、自分も他人も信じる本物の自信を養い、日本人らしさを取り戻す事にもなります。
武道には、相手を殺傷する厳しい技もあれば、出来るかぎり人を傷つけずに制圧する優しい技もあります。
厳しい技を稽古すると、武道とは大切な人を守るために、仕方なく相手を殺傷する生死に備えるものである事が解ります。
戦うという事の恐ろしさと愚かさが解り、日常でも競争や勝ち負けで他人を傷つける事はしなくなります。
また、出来るかぎり人を傷つけずに制圧する優しい技は、人と調和する事の素晴らしさと心を大切にする事の意味を教えてくれます。
厳しさを以って競争や欲に惑わされなくなり、優しさを以って人様と心を共有する事の大切さを理解していくのです。
本物の厳しさと優しさがあります。
そして、厳しさを内に秘めた優しさは、人を裏切らない優しさとなっていきます。
それはやがて優しさを越えて深い信頼となり、人間愛となっていきます。
かつての先人達は、それを「武士道」と呼び、日本の精神的支柱としていきました。
なぜなら、武士道はどのように愛する人達を守れば良いのかを追求する道であり、平和を重んじる道だからです。
この精神文化を中心にすれば、日本が平和になり、人が人を大切にする文化が形成できると考えたのです。
実際に、武士道が大切にされていた江戸時代は260年近くも平和を保ち、民度も高く、見事な循環社会が完成されていました。
士農工商のような「お互いを助け合う」という理念も作られ、現在の競争社会とは全く違う心豊かな社会が形成されていたのです。
海外からも「このような素晴らしい人達がいたのか」と称賛されるほどでした。
日本人とは、このような深みと温かさを持っている存在なのです。
私達は、皆様とこのような「本当の日本精神(慈悲深さ・心の深さ)」を取り戻したいと考えています。
なぜなら、1人1人が日本人らしさを取り戻すという事は、お互いの幸せにもなり、子供達により良い日本を残すことにもなるからです。

閉塞感が社会全体を覆い、崩壊していく日本のなかでも、私達は共に日本人らしく心を失わず生きていきたいと思っています。
武道とはそのような生き方を可能とする精神文化です。
武道の型は攻撃ではなく受けから始まります。
戦いの追求ではなく、戦いをなくすという心・技が事細かに表されています。
決して勝ち負けを争うものではありません。
人間を競争によって向上させる生き方は、誰かを犠牲にする生き方です。
それは日本人本来の生き方ではありませんし、武士道でもありません。
現代の歪んだ価値観がどうであろうと、人間は他人を信頼し、また信頼される事によって本来の力を発揮できます。
特に日本人はそのような力を強く持っています。
そこに日本人としての本当の価値があります。

競走社会や変貌していく価値観に惑わされず、本物の生き方に向かっていく。
争うのではなく、争いをなくすための技と心を共有し、本当の自信を持つ。

そうした武道の心・日本人としての生き方を皆様と共有できたら大変嬉しく思います。

辻堂道場では基本・型・礼を大切に稽古してまいります。
試合や組手等による優劣の争いは一切行いません。
空手に興味のある方はもちろん、お子様の将来を心配されている保護者様、親子での稽古をご希望の方も遠慮なくお越しください。
辻堂道場の稽古は心を大切にする方々がご参加いただける稽古内容です。ご安心ください。
よろしければ一緒に稽古しましょう。

1人1人が武道と共に人生を歩み、自分を見失う事なく生きていただけるよう辻堂道場は皆様と歩んでいきたいと思います。
道場にはそのような事を共有できる方達がたくさんおります。
お問い合わせや体験もいつでも大丈夫です。遠慮なくご連絡ください。
道場の稽古が皆様の生きる力になれば幸いです。
辻堂道場と皆様との良きご縁が結ばれる事を楽しみにしております。

空手道 辻堂道場 一同」




辻堂空手道場 集合写真